【こんな症例も治りますシリーズ 625】 『 犬の角膜穿孔(目に穴が開いた) 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、右目に角膜穿孔が起きています。

■ 黄色の矢印の先端に、円形のクレーター状の部分が見えますか?

■ ここが角膜穿孔部分です。 膿が近くに線状にくっついています。

 

 

犬 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 3歳 オス (去勢手術済み)

 

 

【 目に穴が開いた 】とのことで来院されました。

 

 

◆◆ 他の動物病院で、角膜潰瘍の治療中だったという事でした。

 

 

■ 外貌をみてみると、角膜の中心部に大きな穴があいています。

 

 

■ 眼の中にある房水が流れている様子があります。

 

 

 

★ 角膜穿孔を起こしています。

 

 

 

 

 

■ 角膜に穴があき、眼球内の水分が出てきてしまっている状況です。

 

 

■ しかし、神経学検査をすると、しっかり光に反応があり、眼球機能は生きている様でした。

 

 

 

■ 角膜穿孔の原因ですが、角膜潰瘍から進行しているので、眼科の諸検査を行い、ドライアイなどの基礎疾患は否定しました。 また、角膜表面の細胞検査や、バイ菌の特定(培養検査)を行いました。

 

 

 

■■ すぐに、眼を保護する治療が至急必要です。

 

 

 

■ 角膜自体を縫合する方法もありますが、角膜の疾患によっては穿孔部を縫合してもくっつかず、溶けてしまう場合があります。

 

 

 

■ 救急処置として、上下のマブタを利用した眼瞼縫合を行い、眼、特に角膜を保護することとしました。

 

 

 

■ 眼瞼を閉じ合わせ、物理的に外界から保護して、角膜の再生を促します。

 

 

 

■ 全身麻酔が必要ですが、その眼科手術を緊急に行い、角膜の再生を待つ事としました。

 

 

 

 

■ また、穿孔部を細菌培養検査してみると、スタフィロコッカス属(ブドウ球菌の属)という菌が検出されました。

 

 

■ 感染性角膜潰瘍の疑いがあります。

 

 

 

■ このスタフィロコッカス属に対しては、抗生剤感受性検査に従い、頻回の抗生剤点眼、また内服での全身性抗生剤の投薬を行いました。

 

 

 

 

 

◆◆ 2週間後、抜糸を行うと、穿孔部が塞がっていました!

 

 

■ まだ潰瘍はあり、眼内の炎症もあります。

 

 

■ ここから慎重に経過を見ていきたいと思います。

 

 

 

獣医師 増田正樹

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